宮崎学である。

最近はフェイスブックで近況をちょっと書くくらいになってしまっていたが、これからはぼちぼち書いておこうかと思う。

 3月15日のGPS捜査に関する最高裁判決は興味深かった。  15日の段階で裁判所が判決全文を掲載しているのも、注目度の高さがわかるな。 裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

 各メディアも注目していたが、とりわけサンケイの報道「GPS捜査 最高裁の判断に疑義あり」は警察に感情移入しまくりで、なかなか読みごたえがあった(^.^) ちなみにサンケイのディオバン問題の記事もとてもおもろかったのだが、これについては後日書くことにする。

  最高裁判決に対するサンケイの主張は、はっきりしている。 「盗人のクルマにコッソリGPSをつけて何が悪い」「つけなければ捜査できない」ということである。これだけ読むと正論ぽいかもしれん。

  しかし、今回の最高裁判決は「コッソリつけたらアカン」「どうしてもつけたいなら、別個に法律を作れ」ということであった。なぜか。

  裁判上の論点は、「GPS捜査の是非」ではなく、「GPS捜査を行う場合の裁判所の客観的なチェックの必要性」だからだ。
 要するに裁判所は、警察が好き勝手にやることを許せないのだ。

 とはいえもともと裁判所の令状など「自動販売機」(のように簡単に出る)と揶揄されているのだから、今さらな気もしないではないが、最高裁はひとまずメンツというか「存在感」を示し、「強制捜査に当たり、裁判所の令状がなければ違法」としたのである。 これを受けて警察庁もすぐに動いており、GPS捜査の歯止めにはなりそうなので、これはこれでよかったのではないか、とは思う。

 報道によれば、被告とその関係者の車両がバイクも含めて19台も対象になっているというが、これはさすがにアカンということもある。 ラブホの駐車場など私有地にも入って取り付けていたようで、これは「犯罪を構成するような行為を伴わないこと」という警察庁の「GPS装置の設置のお約束」にも反している。つまり「窃盗犯とはいえ、やりすぎ」と言われてもしかたない。 裁判所にも「これをあちこちでやるのはさすがにまずい」という判断が働いたか。裁判官が15人もいて「全員一致」の判断だという。 というか「警察ごときが裁判所をなめんなよ」と思った気もするが、あくまでも気のせいである。

 それにしても、最近は元アナウンサーの窃盗事件など最高裁で無罪が確定することもたまにだが出てきているし、リベラルな発言やパンツ一丁の自撮り写真をネットで披露する裁判官まで出て来た。

 司法も少しずつ変化しているのかもしれん。 これについては、以前拙著「現代ヤクザの意気地と修羅場 現役任侠100人の本音」で対談した弁護士の岡田基志氏の指摘に注目してほしい。「日本は、司法だけではなく国全体がゆるくなっている」のだという。

 岡田氏は工藤會の組員の裁判で無罪判決をけっこう取っていることで知られる。国内の一審の有罪率が99%を超えている中で、工藤會の組員という「ワルモノ」の裁判で無罪を取れるのだからたいしたものだが、それも「裁判がゆるくなっている」こともあるのだという。 「以前は裁判官にも検察官にも『絶対にヤクザを無罪になどするものか!』という気迫があって、それがこちらにも伝わってきていました。でも、今はそういう感じがあまりないですね。なんと表現していいのか難しいのですが、『ゆるくなっている』としかいいようがありません。司法だけでなく、政治も行政も、日本全体がゆるんでいる中で、憲法に対する認識もゆるんでしまい、改定も進んでいるのではないでしょうか」

 世知辛いのもどうかと思うが、ゆるすぎるのも問題ということか。

 この続きは、今月末発売の『週刊実話ザ・タブー』で書くことにするから、ちゃんと買うて読むように。 今回はたまたま宣伝になってしまったが、あくまでもたまたま、である。


2017年3月18日 宮崎学