

田中被告の生命の安全に関する
緊急声明
宮崎 学
チョンブリ刑務所の田中義三の生命が危ない。
刑務所内で数日以内に、「不測の事故」で彼を消してしまう計画があることが判明した。
今回の敵は、アメリカではなく、チョンブリ刑務所長である。
チョンブリのきわめて信頼すべき筋からの情報であり、緊急対策会議を開いた。
現在、田中君の生命がまだ無事なのは、ひとえに、所長が「自分の身に責任がかかってこないような方法を模索している」からにすぎない、ということだ。
このところ、喜代美さんのレポートにあるように、通信、面会などで刑務所長側からさまざまな嫌がらせが続いてきたのだ。
今月23日に迫った裁判判決まであと約2週間しかない。タイにおいても、田中裁判が話題となり、見通しとしては「無罪」の観測が強まっている。
となると、喜代美さんの報告にあるように、チョンブリ刑務所内部の法を無視したやり方は、一層の非難を浴びることは必至だ。所長のクビもとぶ。
が、被告が「事故」で突然、死んでしまったら、判決もないといっしょ。
で、この刑務所では、毎月何人かの「死人」がでるのはさほど珍しいことではない。
この情報で、すでに、本日、複数の電脳キツネ目組組員が現地に向かって飛んでいる。また、タイでは、「足枷」を書いたジャーナリストの渡辺也寸志君が、あす現地にもチョンブリ刑務所に田中被告に面会にいって、危険は現実的なものであることを彼に警告するとともに、宇崎喜代美さんたちがタイのマスコミに注意を喚起することになっている。
とはいえ、相手は刑務所の中で、首謀者が刑務所長という立場にいるだけに、外部支援といっても、どれほどのことができるか、心許ない面がある。
このような場合は、政治機関としての政府・外務省がしっかり田中君の安全を確保すべきなのはいうまでもないことだ。しかし、これまでの経過からみて、一体、日本大使館というのはなんなんや、と言いたいほどなにもしてこなかった
彼らにとって唯一の関心事である「日本への移送」以前の問題が起きているのに、だ。
これについては、役に立つかどうかわからんが、明日、外務省に法人保護の観点から現地大使館に指示するよう、弁護士を通じて申し入れる。
実は、我々の側にも、「今の嫌がらせは、最後の所長の意地悪だろう」ぐらいに考えて、危険があるとしたらアメリカシークレットサービス側だろうとの見方が強かったのだが、考えてみると「メンツを傷つけられた小人物の権力者」というのは、今の時点では、よほど危険な存在だ。
田中君が無事なことを祈る。
1999年 6月8日午前0時30分