田中義三被告の足枷問題でタイ国会議員が事情聴取


電脳キツネ目組タイ突破員報告

本日(3月12日)、タイ国衆議院の常設委員会である「正義と人権委員会」のメンバー6名ほどがチョンブリ刑務所を訪問し、田中義三に足枷・鎖を付けていることについて刑務所長および内務省刑務局長らと話し合いをもった。会議の後、全員(人権委員会6名+刑務局・刑務所5名+宇崎喜代美さん)が監房施設内に入り、房内での囚人の待遇・生活状況について視察した。田中や他の囚人からの聞き取り調査も行われた。

視察に先立つ会議においては、まず人権委員会側から、「なぜ足枷や鎖を田中義三に装着させているのか?」「はずすことはできないのか?」という質問がなされた。

これに対して刑務局・刑務所側は、「田中は国際テロリストであり、逃亡のおそれがあるためこのような処置をしている」「また、この刑務所では囚人の数が3500名にものぼり、一方それを監視する看守は1人につき100名もの囚人を管理しなければならないという状況では、我々の責任を全うするにはこのような処置もやむえない」と答えた。こうした見解の根拠として、刑務局・刑務所側は囚人拘束手段の適用やその例外を定めた法律条項を示した(本報告末尾に添付の翻訳を参照)。さらに「刑務所としては十分に注意を払って囚人のケアを行っていると確信している」とも述べた。


議論の途中で宇崎喜代美さんが発言の機会を得て、次のような説明を行った:
   田中義三がかってハイジャックをしたことは認めるが、皆さんが考えているような凶悪な「国際テロリスト」などではなく、人を傷つけたりしたことさえない。また、彼が逃亡のおそれがあると判断されて足枷などを付けられているとすれば、これも的はずれである。なぜなら、彼は逮捕後2〜3日は足枷・鎖を付けられていたが、その後鎖はずされて再度装着されるまで8ヶ月間も鎖なしで生活しており、その間に逃亡を企てたりもしておらず、それどころか周囲も認める模範囚として過ごしている。足枷の再装着のときは担当した看守でさえ「なんでお前がまた鎖を付けられなければならないか理解できない」ともらしていたという。現在の彼の収監の原因となったニセドル紙幣事件も、アメリカ財務省のシークレット・サービス(SS)が主導してデッチあげた事件で、田中は一度もタイに入国したことさえないのに、パタヤで発覚したとされるニセドル紙幣事件に関連してカンボジアで身柄を拘束され、タイに連れてこられてここに身柄を拘束されている。彼は自分がタイで何も悪いこともしていないのに、何故ここにこうして捕らえられ裁判を受けているのかりかいできない。アメリカとタイ警察による陰謀であると主張している。

発言の機会を得て語る宇崎喜代美さん(手前左)に耳を傾ける委員達


   昨年(98年)の1月30日から2月のはじめにかけて、足枷・鎖をはずしてくれるように要請する文書を日本大使館から刑務局に対して2回提出したが、刑務局からは2回とも「足枷ははずせない」という回答があった。拒否された理由を大使館にも尋ねたが、大使館からは教えてもらえなかった。それ以来、この件について我々は刑務局・日本大使館のいずれからも何も知らされていない。田中義三は足枷・鎖を24時間装着させられていることにより、夜安らかに眠れない生活が2年以上も続いており、その結果、背骨を痛めたり、肝臓障害に見舞われたり、皮膚がただれたりさんざんな目に会っている。


(これに対し、刑務所長は、「われわれは囚人の健康状態には常に気を使っており。田中は健康であると理解している。また、病気なら何故そのように申し出て医者の診断・治療を受けないのか?」と述べたが、それに対して宇崎さんは、次のように反論した)


   田中は、先ほども述べたように、アメリカとタイ警察による陰謀でここに捕まっていると思っており、当局に対して不信感をぬぐえないでいる。だから治療と称して毒物などを服用させられたり、何をされるかわからないという危険も感じており、以前から日本からの医者を派遣して診断して欲しいと要求しているが、これもまだ当局によって認められるに至っていない。これまでは、田中が唯一信頼してくれている私が差し入れた抗生物質その他の薬を使用してなんとか過ごしているのが現状である。

   


***************(添付書類)**********
服役囚に対する拘束器具の使用について(タイ語からの翻訳)

「仏歴2479年(西暦
1936年)刑務所法」
 第14条

  以下の5項目に該当する場合を除き、囚人に拘束器具を装着してはならない。
  (1)自分若しくは他人の生命・身体に危害を加えるおそれのある者
  (2)精神障害があり、他人に危害を加えるおそれのある者
  (3)逃亡するおそれのある者
  (4)刑務所外へ囚人を連れ出すときに、拘束器具の装着を必要とすると刑務
官が判断する者
  (5)刑務所またはその地区の状況から、囚人に拘束器具の装着が必要である
と大臣が判断する場合。
  本条4項および5項で定める拘束器具の装着および取り外しの権限は、当該刑
務所所長が有するものとする。


(この他に「刑務所法に基づき発布された仏歴2541年(西暦1998年)内務
省令」の第25,26,27および28項、ならびに「仏歴2479年(西暦19
36年)刑務所法第58条に基づき発布された内務省令」の第29項および30項
において、拘束器具の寸法などの詳細が定められているが、ここでは翻訳を省略)
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