
私は、わが友、ハヤシカシノリ、本名田中義三の無罪の判決を強く求めるものです。
タイ国チョンブリ県の当法廷において、この裁判の根拠となっているすべての検察側提出の証拠とその論理は破綻しました。今や検察側は、論証する言葉すら失った状態です。
この裁判の過程で検察側が自ら提出した証拠を充分に説明できなかったのには、理由があります。それは、提出された証拠の重要な部分がアメリカ合衆国財務省シークレット・サービスから与えられたものであり、タイ国検察官や警察による独立した捜査によるものではなかったことに起因します。
アメリカ合衆国の政治的目的のために創作されたシナリオというのが、この事件の本質であります。
確かにアメリカ合衆国は、強大な軍事的そして政治的な力を持っております。しかし、強大な力は必ず腐敗を伴います。また、強大な力はともすれば弱者を傷つけます。
私は、アジアに生きる一人の人間として、今回わが友田中義三を陥れたアメリカ合衆国の暴挙を断罪します。
同時に、アメリカ合衆国はデタラメな起訴をタイ国検察に働きかけ、人権を無視した取り調べを強要しました。このことは、タイ国の独立性を損なうものでもあります。当法廷は、アメリカ合衆国のこうした邪悪な意図をはっきりと捉える必要があると私は考えます。
わが友田中義三を理解していただくために日本の文化について一言述べます。それは、「恥の文化」についてであります。例えば、間違いを犯した時のとるべき態度として、「嘘をついたり、隠したり」することが恥ずべきことであり、堂々と間違いを認めるというのが日本の美風とされるものであります。わが友田中義三はこの「恥の文化」の中で生まれ育ちました。彼は、もし犯罪を犯したなら必ずそれを認めます。嘘をついたり隠したりすると、日本人ではなくなることであるという思想を持っています。
以上の諸点を検討され、当法廷が無罪の判決を決定されることを強く求めます。
宮崎 学
1999/4/27