|

対談 犯罪季評
神戸小学生連続殺侮事件「酒鬼薔薇』を育んだニッポンの土壌を掘り返す
別役実 X 宮崎学
劇作家 『突破者』著者
ゲーム感覚、希薄な親子関係、唆味な生死の境。今回の事件は、さまざまな問題の断片をのぞかせながら、その全貌を現すまでには至っていない、犯罪に詳しい二人が独自の視点から迫る。
別役 驚いたね。容疑者が十四歳の男の子だったとは思いもしなかった。僕は二十歳前後で一人で下宿していて、わりと孤独な毎日を送っている青年じゃないかと思ってた。それが、家族と一緒に住んでいる中学生だったのにはびっくりした。
宮崎 僕は容疑者逮捕の記者会見のあった当日、ちょうど週刊誌の取材で現地に人ってたんです。犯人像は、僕ももう少し高い年齢を考えていた。ただ、あの中学校の正門には「友が丘中学校」という長細い看板があるんだけど、犯人は最初、校庭の側からその看板の上に首を置いていたんですね。それが。いま花が供えられている通路側に落ちた。
別役 置き換えたんじゃなくて?
宮崎 落ちたんです。それ。でいったん通路側に出て、改めて置き直した。最初に置いた位置がちょうど友が丘中学校の入り口なので、この事件には学校に対する恨みつらみや反発、なにがしかの感情があると感じましたね。それから、タンク山に登ってわかったのは、すごく勾配が急なこと。だから殺してかつぐのは無理だ。連れていって殺したとすれば顔見知りの犯行だろうと。
別役 もう一つ僕がショックだったのは、あれだけのことをしておいて家族が誰も気づかなかったということね。殺害後、首を自宅へ持っていって洗ったとか、その前にも二つぐらい通り魔的にやった事件があるわけでしよ。猫や鳩も殺したとか。どうして家族がもっと早く気づかなかったんだろう。
宮崎 少年の家の近所で話を聞いてみると、親子でボランティアの草むしりをやってるとか、町内会の婦人会の卓球サークルみたいなところに奥さんが人って、子供と一緒に卓球やってるとか、今ふうに言うところの「子供との対話」がかなりある家庭なんです。
この事件の謎ときは「今ふうに言うところの『子供との対話』がかなりある家庭」にある、とわしはおもっている。その中に、今の時代がなんであかんか、という話をこのあと二人でしている。別役さん、という方はなかなかの人であった。
----続きをよみたい人は、「Ronza」9/10号をこうたってくれ。雑誌は売れなければつぶれる。ええもんはカネか声だして評価してやらんとあかんもんがはびこる。それから文句言うても遅い。
|