自民・自由連立内閣は、

「北朝鮮ハードランディング」路線への布石


 ちょっと、タイの裁判、年末年始企画取材とか、今度出す本とかでイソガシなっとるうちにえらいキナくさいにおいのする政治情勢が誕生しつつある。


このところの新聞、一ヶ月であれほどさわいだ「経済問題」がどっかいってしもて、もっぱら政治問題-「自民・自由党問題」になっとる。なんか不自然な感じがせえへんか?


この間まで大騒ぎの、経済・信用問題、金融問題はなんも実は解決していない。「信用不安がおさまった」ちゅうのはマスコミが、和歌山砒素事件と、自民・自由党問題ばかり書いているだけの話で、別に公明党取り込みの「2万円商品券」やらで、景気がようなって、失業問題が解決して、住宅ローンの返済が楽になった、なんちゅうことない。


なんで、この間まで「冷たいピザパイ」やった小渕総理が、急に「したたかな宰相」とほめられるねん?なんで野中が仏頂面で、「仇敵」の小沢と握手してや仲直りせなあかんねん?、その一方で、突然、菅直人のシモネタが週刊誌をにぎわせて、なんぜ宮沢が突然やめるとかやめんとか、なんで、小坊主みたいな山崎が派閥結成に跳ね出すんや?シノギになるんやったら、なんでも無節操な人たちなんやけどやな、それにしても、これがどうあいつらの利益につながるかようわからんとこがある。こういう時には必ず裏があるんが政治、やねんけど、今回の自民党の動き、ゆうのはわかりにくい。

マスコミ報道を読んでいてわかる、ちゅうやつはおらんのとちゃうか?

これは絵図かいとるやつの方針が激変したからやないか、とわしおもとる。それは、は世界の真の支配者層、つまりアメリカ合衆国が、「朝鮮有事」つまり、北朝鮮との全面対決、
わかりやすく言えば戦争、の準備態勢とりはじめたんやないか、とわしはみとる。

ここに、新潮社がだしとる「フォーサイト」いう雑誌がある。本やでは売ってないけど、外交問題とかはおもろいことがときどきでとる。その最新号のなかでやな、アメリカの外交評議会上級研究員、ゆう肩書きのロバート・マニングいうおっさんが「対北朝鮮『究極の選択』も覚悟せよ」というレポート載せとる。「米・日・韓国の対朝対策は前提から間違っていないか」というなかなか迫力あるレポートや。さいしょのところだけ読んできかせる。これは「売れたらええ」という我が国の週刊誌とか新聞とかとは違う立場から書かれた論文だ、ということを注意しや。


対北朝鮮 「究極の選択」も覚悟せよ

 ロバート・マニング


新潮社刊 「フォーサイト」11月号より


(一九九九年四月二日、緊張の糸が切れようとしていた。前年の八月中旬、北朝鮮が秘かに核関連施設を拡張している疑いありとの暴露情報が米紙に報道され、さらに八月末には。北朝鮮の3段ミサイルが日本本土を越えて太平洋上に落下した。以来、着実に緊張が高まっていたのだ。

 クリントン米大統領は核施設疑惑の決着をつけるため、コリン・パウエル。元統合参謀本部議長を特使として平壌に送ったが金正日は会談を拒否。代わりに金永南最高人民会議常任委員長を会談に赴かせるがへ米朝会談は決裂する。米韓日三国にょる食糧支援は打ち切られ、多くのNGOも北朝鮮から引き揚げ、やがて餓死者の増大を伝える情報が流れてきた。舌戦が激化するなかで、北朝鮮政府は。アメリカが食料を兵器代わりに使っていると非難する。

 絶望的な状況となった北朝鮮は、ついに戦端を開き、スカッドミサイルをソウル郊外に撃ち込んだ。北朝鮮の地上部隊は、非武装地帯の地下に掘られたトンネを抜けけ、鉄原、浪山一帯に雪崩れ込んだ。警戒を強めていた米軍は出動態勢に入1たが、北朝鮮政府はホットラインを通じて最後通牒を突きつけてきたーー我々は東京及び沖縄の米軍基地を標的とする核ミサイル発射の準備を整えたた。南北統一問題について韓国政府と論議の道を探ってるが、この、「国内問題」にアメリカや日本が介入するならば、東京は焦土と化すであろう---)

こうした、悪夢はアメリカが最も回避したいシナリオで、そのためにこそ北朝鮮に対し「取り込み政策」がとられてきた、だが、北朝鮮をめぐる事件。とりわけ核施設疑惑の浮上と日本上空を横切った多段ミサイルの発射実験が米日両国政府に政治的衝撃を走らせる現在、この「取り込み政策」もその前提と論理に根本的な疑問が生じてきた。こうした展開ば、アメリカと北東アジアの重要な二つの同盟国の間に新たな亀裂を擢き、米議会とクリントン政権の間にも、少なからぬ対立を呼び起こしている。

1 米韓日のその場しのぎの方策


2 米政府と議会の間の緊張


3 時間を稼いでいるのは誰か

4 「慇懃なる無視」という政策




 この内容はひとことでいうと「これまでの『太陽政策』は間違っていた」ちゅうとる。つまり、北朝鮮を、ソ連崩壊後の東ドイツ形で、西ドイツが併合して分断国家問題を解決する、ちゅうのは幻想ではなかったか、いうとるねん。

 これがなんで今、日本に翻訳されたか、いうのも興味深いんやけど、それより、わしはこのようなレポートが発表された、ゆうことは既にアメリカはこのレポートの指摘するキケンに対して手を打ち終えたからやろ、とみとる。

 それがその答えのひとつが「浮沈空母」の「同盟国」日本の戦争参加への「自民・自由党連立」やとしたらどうや?


突然、降ってわいた、アホみたいな「商品券構想」で公明もとりこまれる。
菅直人が、えらくタイミングよくスキャンダルにまみれる。これは民主党の中では、旧自民系の鳩山らが強くなることを意味する。

そこへ、アメリカの大親分のクリントンがきよる。クリントン、ゆうのはもちろんアメリカの支配層の「代理人」やね。これに「おみやげ」をもたせてかえさんとあかんがな。それが「自民・自由党連立による浮沈空母ニッポン」の政治的安定や。

こう考えると、自民党の中では「リベラル」を自認する宮沢が逃げ出したがるのも、アホな山崎が急にはねだすのもわかるやろ?山崎にしてみたら千載一遇のこの機会に、「番頭」ではアカンのや。

世界経済は危機である。12月末にはアメリカのヘッジファンドの更新時期がきよる。これはなんとかしのぎよるやろ。
(しかし、じぶんとこのヘッジファンドがつぶれたとたんに、「グローバルスタンダード」とか「ハードらでぃんぐ」いわんようになったやろ。アメリカの言うことと、それを真に受けた「文化人」には注意せなあかんちゅうのがようわかる)

アメリカの借金は相変わらず世界一や。けど、もう「健全財政」とかに戻れる可能性、ゆうのはない。なぜなら経済を減速させることが、即、彼らの死亡宣告に等しくなるような勢いで「死亡遊技」やっとるようなんが今の、アメリカの消費を大黒柱にした世界資本主義の経済やからな。

で、こうなったら一番手っ取り早い解決、ゆうのは戦争である。ちゅうのは別にわしがいいだした目新しい説でもなんでもない。世界史マジメにやってたら高校生でもみなしっとる。資本主義の危機の唯一の「解決策」や。カンタンで、しかも、全部解決できるがな。

とはいえ、今のアメリカが戦争できる、ゆうたらアラブはやばすぎる。あそこは石油、アメリカが全部牛耳ってるゆうてもええ石油の宝庫やし、アメリカに、イスラムという強力な敵を一枚岩にさせてまうキケンがあるからや。

ほならどこや?もう旧ソ連は死にかけとる。中国はもっぱら金儲けと、国内失業問題で手一杯。大体、北朝鮮を救う義理ももうあらへん。

すると、これまでと違って「ハードランディング」いうのは案外、魅力をもった選択肢の一つ、と言えるわけや。

そのようなチェスのコマの指し手がアメリカにいる、と考えると、現在の日本の政治状況というんはすべてキレイに説明がついてしまう。

むろん、アメリカはいつでも日本の総理大臣ぐらいかってのローマ帝国が属州のオヤブンを代えるのと同じぐらいカンタンに代えられるというのは、田中角栄以来、日本のエスタブリッシュメントの間では常識である。ただ彼らだって不必要にそんなことをしたくないし、なるべくなら「穏やかに」、この国を「朝鮮有事」にソフトランディングさせたい。

そして、「自民・自由・公明・民主右派」が組むということは、まさに世紀末の「大政翼賛会」であり、「ファシズム」にほかならない。


(つづく)

    12月3日    宮崎 学

衛星写真からみた朝鮮半島と日本、中国の夜景。北朝鮮の黒さは砂漠なみ。
(ナショナル・ゲオグラフィ10月号)